欧米の2022年の流行語が「ゴブリン・モード」に決まりました。2位の「メタバース」とは圧倒的な差をつけての結果でした。この ”だらしないモード” がなぜ選ばれたのか、それは何を意味するのかを考察します。
目次
ゴブリン・モードとは
家でダラダラ過ごすモード
「in goblin mode(ゴブリン・モード中)」や「to go goblin mode(ゴブリン・モードに入る)」のように使われます。
わかりやすく表現すると、社会的な繋がりを積極的には求めず、家でダラダラ自分勝手に自堕落に過ごすことですね。パジャマのままベッドでポテチ&コーラでニンテンドースイッチやっていれば完成です。
「2022年の言葉」のNo.1に
欧米の話題ですが、英語辞典を制作する出版社などが毎年行っている「今年の言葉」選出というものがあります。
流行語大賞のようなものです。選定のプロセスは、オックスフォード大学出版局が候補として3つの言葉をノミネートし、そこから一般投票によって1位が決定されるという仕組み。日本のような特定の知識人(?)が勝手に決める流行語(?)よりも、社会性が反映されます。
ノミネートされた3つの言葉は以下です。
- ゴブリン・モード
- メタバース
- #IStandWith(私は〇〇の味方という意味)
ここから30万人以上がオンライン投票した結果、「ゴブリン・モード」が圧倒的多数で選ばれました。
なぜゴブリン・モードが支持されるのか
投票の9割が選んだという「ゴブリン・モード」ですが、なぜここまで強く支持されるのでしょうか?
私は背景に3つの要因があると考えます。また、これは欧米特有の現象ではなく、日本もまったく同じ傾向にあると思います。
- SNSの「映え」の疲れ
- 過剰な社会的繋がりへの反発
- 「家から出ない」生活の満足度の向上
① SNSの「映え」の疲れ
今回の結果に対し、オックスフォード出版局は以下のように評価しています。
ソーシャルメディアに投稿されるますます手が届かなくなりつつある美の基準や、持続不可能なライフスタイルに反発する人たちに広がるムードを捉えているようだ。
Public’s word of the year revealed by Oxford
最近のインスタグラムは、厳選され、加工されつくした「美の境地」のような写真がずらっと並んでいて、正直アプリを開いているだけで疲れるんですよね。加工技術がすごく、現実の物とは全く別の「作品」になっているものばかりです。
② 過剰な社会的繋がりへの反発
コロナ禍になり仕事のスタイルが大きく変わりました。私もリモートワークになり、飲み会がすべてなくなりました。一度も顔を見たこともないメンバとも業務を進めています。
「忘年会」なんてなくてよかったんです。¥6,000も払って上司の自慢話に付き合わされる時間。みんなが薄々ムダだと気付いていた「一方的な飲みにケーション」「過剰な職場のつながり」「不必要な出社」。
自分の大切なメンバだけ、クローズした繋がりだけを大切にすればいい。仕事は仕事とクールに割り切ればいい。それでも仕事はちゃんと回る。
コロナ禍が答えを出したことで、過剰な社会的繋がりを断つことに罪悪感を持つ必要がなくなったと言えます。
③ 「家から出ない」生活の満足度の向上
コロナ禍で自宅で孤独に過ごす時間が増えました。実家に帰ることもできず、友人と外で会う約束をすることに罪悪感すら抱く日々でした。
私もこのタイミングで、部屋の掃除と断捨離にトライ。シンプルで快適な空間をつくることができました。
寝るだけの部屋が、心がほっとする空間に生まれ変わりました。自宅での生活の質、満足度が向上したことで、「ダラダラ過ごす生活」が加速したのだと思います。
ゴブリン・モードは悪なのか?
「家でダラダラと過ごす」行為は悪なのでしょうか?私はまったくそうは思いません。
他人とのムダなインスタグラム上での「美のバトル」を卒業し、職場の非生産的な飲み会に行かない。代わりに、快適な自宅で大切な家族と過ごす。
休日に遠くの「映えるカフェ」に行かなくても、家でドリップコーヒーを飲めば幸せですし、上司とお酒を飲むより、家内と2人でファンタグレープを飲みながらスプラトゥーンをやってた方が楽しいものです。
「ダラダラモード」は悪ではありませんし、むしろ積極的に(せめて土日のうちの1日でも)ゴブリン・モードになった方が健康的だと言えます。ありのままの自分、いいじゃないですか。
スケジュール帳にゴブリン・モードDAYを
金曜日の夜になると「明日は〇〇して、▲▲もしよう、それから・・」と妄想しますが、たいていは消化できずに終わります。
「何もしない一日」と先に宣言するのです。そうすれば、夕方になって「あぁ、何もせずに土曜日が終わる・・」と後悔することはないはずです。やっていることは同じでも、満足度が違いますよ。
まとめ
欧米の2022年の流行語「ゴブリン・モード」が選ばれた背景と、それが何を意味するのかを考察してみました。
積極的に「ゴブリン・モード」になり、疲れをとりましょう。さて、次の「ゴブリン・モード」の予定日はいつにしますか?
by あきちゃんぬ.
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